Vol. 1 スラローム  
Rider  :  Turuoka Kentaro(2002-2004 GSS WINGS)
それでは1コマずつ見ていきましょう!

まずはバックサイド。1コマ目は方向付けが終わって、エッジ角が一番立った状態です。
引き続きプレッシャーをかけながら、体軸はすでに次のターンに向かって動き始めています。その動き=クロスオーバーにより、エッジ角は徐々に小さくなっていきます。
旗門を通過するときには既に雪煙は上がっていません。しかしボードはしなっており、しっかりとボードを踏んでプレッシャーをかけていることがわかります。ここで座り込むような脚の曲げ方をすると、ボードからプレッシャーが抜けてズレてしまいます。
早くもボードがフラットになっています。特に比較写真は掲載しませんが、この時点でエッジ角がマックスになっている選手がほとんどです。そういう滑りだと、雪面抵抗が大きくなるためせっかくカービングしていてもタイムは伸びません。
ボードの面から垂直に立てた軸(棒)をイメージしてください。その軸の真上にしっかりと、しかもリラックスして乗っていますね。
そのまま体軸を倒しこむことにより更にエッジを立てていきます。
バックサイド同様旗門の手前でマックスを向かえます。この時点でも(というよりは常に)体軸はボード面から垂直に伸ばした軸と一致させるようにしましょう。そうすることで、プレッシャーを自在にコントロールすることが可能になります。バランスが良いと力を一番効率よく伝えられるからです。
若干上体が開いていますが、既に次のターンへむかって状態をボードと交差させる動作が始まっています。このことからも旗門の手前でターンを終わらせることが重要だとわかります。
上体が開いた分だけ逆ひねり気味になっています。良く言えば先行動作とも取れますが、この体勢から素早くエッジを捉えることは不可能です。しかし、体軸とバランスはまずまずのポジションです。
前のコマでボードがフラットになり、エッジホールドから開放されたことでボードが上体と同じ向きに(上半身と下半身が捻られていない状態)戻りました。この体勢ならカービングに入ることができます。フロント後半で上体の開きがなければ、もっと早くカービングに入れます。どちらが速いかは、斜度やセットなど状況次第です。両方のテクニックを身につけておきましょう。
体勢が決まったところで、エッジの角付けを強めていきましょう。どうしても後ろに乗ってしまう人は、ターンに入る時に斜度にあわせて斜め前方に上体を放り込む意識を強くもちましょう!!
旗門の手前でマックスを向かえます。このときエッジは一番立っているはずです。視線は数旗門先を見るように心がけてください。
前のコマとよ〜く見比べてください。既に体軸が起きはじめています。当然エッジ角も小さくなっています。また、このあとボードは斜面の真下を向いた状態から横を向いた状態に移っていきます。つまり、真下=最大斜度、から横=斜度が少なくなる状態への斜度変化です。そのため足元と腰の位置、頭の位置を注意深く見ると、徐々にボードが前に出てきていることがわかると思います。意識すべきは斜度が一定の斜面を滑っていてもターン中の足元の斜度は刻々と変わることです!
テールしか見えませんが、既にエッジはほぼフラットになっています。今回14枚の連続写真を見てきましたが、うまい選手は常に動き続けていることが見て取れたと思います。ちなみにこの写真は毎秒5コマ=0.2秒間隔で撮影しています。

このコーナーが、オフシーズンに良いイメージを作る参考になれば幸いです。

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